日本の食文化
東京の郷土料理
東京の郷土料理の特徴のひとつに海外から認ってきた食べ物がある。今では各国織狸、またはエスニックという便利蜜言葉があるが、昭和30年代当時はそんなしゃれた呼び方はしなかった。ローストビーフでもマカロニでも、あるいはコンビーフの缶であっても、中国料理以外のものは、単に「外国生まれの料理」と表現していた。明治生まれのお年寄りがネスカスェを見て、「舶来品」とか「到来もの」と呼んでいた時代だったのである。当一時から東京には大使館勤めの外国人が暮らしていたし、外国から帰佳砿たサラリーマン家庭もあった。東京に暮らす人々は日本の他の都市よりも、海外の味に触れる機会は多かったのである。
昔の日本の食生活
今でも、日本の中でエスニックレストランの数がいちばん多い都市はやはり東京ではないだろうか。そして、子供たちは親に連れられて、クスクスや塾ユラスコを食べ、ドンドルマをデザートとしているのだと推察する。ただし、昭和30年代当時、小学生だった私が外国料理に遭遇したのはエスニックレストランではなかった。子供が連れて行ってもらえる飲食店といえば、デパートの食堂に限られていた時代で、ファミレスも街角には存在していなかった。外食自体が一般的ではなく、食事は家族揃って自宅でとるという原則が生きていたのだ。